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  夏の庭を彩る花々‐3

 森の中でウバユリが白い大振りの花を次々と開いている頃、キツネノカミソリが草原のあちこちををオレンジ色に彩り始める。 万葉集の歌人、山上憶良が「萩の花 尾花葛花 なでしこが花 をみなへし また藤袴 朝顔が花」と詠んだ秋の七草では、キキョウに続いてオミナエシ、カワラナデシコそしてクズの花も咲き始めた。 フジバカマやヤマハギ、ススキはまだ咲かない。

 ゲンノショウコがあちこちでフウロソウによく似た白やピンクの花をつけている。 ゲンノショウコはフウロソウと同じフウロソウ科、フウロソウ属の多年草で学名を「 Geranium thunbergii 」 「ゲラニウム ツンベルギイ」 というが、一般に園芸店で販売されているゼラニウムとは属が異なる。 ゼラニウムはフウロソウ科テンジクアオイ属で学名は「 Pelargonium inquinans  」といい、主に亜熱帯・熱帯に生息する多年草である。

キツネノカミソリ
カワラナデシコ
ゲンノショウコ

 池の築山の斜面ではオニユリが咲き始めた。 コオニユリもまもなく開きそうだ。 タカサゴユリはさらに遅れて咲く。

オニユリ

 池の水辺では、ヌマトラノオやミソハギに続いて、サワギキョウやアカバナ、トンボソウなどが咲いた。 ヒメガマにも花穂がでてきた。 ヒメガマの花穂はガマやコガマと違って、雌花穂と雄花穂の間が空いているのが特徴だ。

サワギキョウ アカバナ
トンボソウ
ヒメガマは、雌花穂(下)と雄花穂の間が空いている

 

今が盛りのミソハギ

 草原では、オミナエシが満開になり、ワレモコウが赤い萼片を開き始めている。 バラ科ワレモコウ属のワレモコウには花弁がなく、小花が集まった穂状花序の4枚の萼片が赤く色付く。

 蝶の好きなコマツナギも咲き始めた。 コマツナギは、マメ科コマツナギ属の小低木でマメ科特有の蝶形花を付け、ツバメシジミやミヤマシジミが好んで食草とする。 近年道路改修時に中国産の大型のコマツナギが植栽され自生種の生育が脅かされている。 法面緑化といえば北米から輸入されたイタチハギがあるが、いまや各地で野生化して自生種の生育場所を奪っている。 国交省による道路植栽や緑化事業には、もう少し生態系保全の意識が必要だろう。 

オミナエシ
ワレモコウ
コマツナギ

 清流の流れ込む池ではゲンゴロウが涼しげに泳ぎ、川から遊びに来ているオオサンショウウオは岩陰でのんびり午睡をきめこんでいる。 涼しい高原の風が吹き抜ける中で、イタヤカエデの幹に止まったアブラゼミが鳴き声をあげ、夏を意識させる。 クリのイガがふくらみを増し、ヤマボウシの実はほんのり色付いてきたようだ。 秋にはヤマボウシのジャムでもつくってみよう。

ゲンゴロウ
アブラゼミ
ヤマボウシ

 ('08.08.07)

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