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 アヤメ属の花々

 アヤメ科アヤメ属の植物は、学名では 科名は「Iris」 と表記される。 学名は概ねラテン語が使用されるがギリシャ語からきたものも多く、「Iris とはギリシャ語で「虹」という意味を持っている。 この属の花々の艶やかな彩りを見るとき虹を連想するのは頷けるところだ。 私の「ひるぜんリザーブ」の庭にもイチハツ、キショウブ、ジャーマンアイリス、アヤメ、ハナショウブ、ノハナショウブ、カキツバタ、シャガなど数種のアヤメ属の植物が植えられていて、毎年美しい花々が私たちの目を楽しませてくれる。  

 アヤメの仲間で一番早く、4月上旬ころから咲き始めるのがイチハツだ。 日本語では「一初」あるいは「逸初」とも書く。 アヤメ科では一番最初に咲くことから名付けられたようだ。  イチハツはその学名を「 Iris tectorum」 という。

 「tectorum」 という種小名は「屋根に生ずる」という意味で、この中国原産の植物は乾燥に強く、かつて日本でも茅葺屋根に上に沢山植えられていて、火災や強風から屋根を守っていた。  

イチハツ

 イチハツが咲き終わる5月の初め頃、水辺で咲き始めるのがキショウブだ。 キショウブはその学名を「Iris pseudacorus」という。 「pseudacorus」というのは、ラテン語で「ショウブに似た葉を持つ」という意味である。

 この中国原産の植物は、湿地の植物で川岸や池の水際で野生化しているものが良く見受けられる。 その葉は幅広く長く、群生していることが多いので春の水辺を鮮やかに彩る。

キショウブ

 5月中旬になると、いよいよアヤメの季節となる。 アヤメはその名の由来となった花弁の綾目文様が美しい花だ。 アヤメは学名を「 Iris sanguinea 」 という。 これは「血紅色をした虹」という意味だ。 

アヤメ

 6月後半に入るとノハナショウブやハナショウブが咲く。 ノハナショウブはハナショウブの原種で日本原産で、山野の湿原に自生している植物だ。  ノハナショウブの学名は「 Iris ensata var. spontanea 」といい、「 ensata 」は、「剣形の」、「spontanea 」は、「野生の」という意味である。

 深い紫色の花弁の中央に刷毛で掃いたような黄色の線を覗かせるシンプルな色彩と形のこの花が私は大好きだ。 梅雨時の日本の山合の湿原でひっそりと控えめに咲いているノハナショウブを見ると「これぞ日本の花だ。」と思ってしまうのだ。 

ノハナショウブ

 一方観賞用につくられた品種のハナショウブは、学名を「 Iris ensata 」と」いい、さまざまな色や形を楽しめるが、装飾過剰気味で私はあまり好まない。

ハナショウブ

 7月になって梅雨も明け、ハナショウブも萎れるころ、朝夕にヒグラシが「カナカナ、カナカナ」と甲高い鳴き声を響かせはじめ、高原に夏がやって来る。

 ('08.07.18)

     Since 1997.04.01      最終更新日: 2008.08.06                                       Copyright @ 1997-2008  by Mr.T  All rights reserved.

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