アウトドア・クッキング
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美味しそうに出来上がった若鶏のロースト |
還暦を過ぎてからの二年間の景観園芸学校での全寮生活で自炊を始めるまで、料理を自分でやることはほとんどなかった。
唯一の例外がひるぜんの森での野外料理で、スモーカーを使っての燻製つくりやダッチオーブン料理である。 この経験が始めての自炊生活でも大いに役立って、2年間の自炊生活を楽しいものにしてくれた。
今年の夏も娘夫婦が愛媛から避暑にやってきたときにスモーキングを、またお盆休みに神奈川と堺から遊びに来てくれた淡路景観園芸学校時代の友人たちとダッチオーブン料理を楽しんだ。
スモーキングは、通常素材に塩を振って水分を抜き、水洗いしてから風乾後スモークをかけ、取り出してからしばらく置いて冷却し、煙の匂いを飛ばしてから賞味する。
もっとも大抵はスモーキング中からスモーカーから漏れ出してくる美味しそうな香りに我慢できずに、熱々の出来立てを頬ばってしまうことが度々、いや毎度のことである。 今回も娘の夫君が仕事の関係で夕刻に出立するというので、昼過ぎから火を熾してスモーキングをはじめ、3時過ぎにはもうビール片手に全員で舌鼓を打っていた。

「簡単につくれて美味しい。」というのが野外料理の鉄則だが、ダッチオーブン料理はその典型である。 とにかく素材を放り込んで火にかけておけば、後は鍋が仕事をしてくれるのだ。
お盆休みに「ようやく休みがもらえました。」と11日の昼前に淡路景観園芸学校時代のクラスメイトのG君が神奈川から遠路はるばる車を運転して3年ぶりにひるぜんの森へ遊びに来てくれた。
久しぶりに造園談義に花を咲かせ、2日かけて私の庭や近くの山乗渓谷の不動瀧、奥大山の渓谷、鏡ケ成高原の湿原、蒜山高原のトンボ池などを一緒に見にでかけた。 トンボ池では彼が見たことがないのでぜひ見たいといっていた「ハッチョウトンボ」をすでに時期遅れだったにもかかわらず数匹発見し、私の森を流れる川ではこれもぜひ見たいと言っていた「オオサンショウウオ」と奇跡的な遭遇をした。 12日の夜は雲ひとつ無い夜空を埋め尽くすような満天の星を眺め、長く尾を引く流れ星を10数個、その間に孵化するのが遅すぎたゲンジボタルが数匹闇に舞うのを確認して、彼にとっては幸運な日々となった。
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不動瀧 |
やはり私の景観園芸学校時代の友人のAさんの夫のN君が、前々から私のダッチオーブンでつくるローストチキンの話を聞いて、「材料は持ってくるので、一度つくってご馳走してください。」と言っていたので、それではG君が来た時に一緒につくって食べようと計画して、12日夕に彼らの住まいの目の前にあるという鶏屋で若鶏の丸ごと肉を2匹調達して持参してくれたので、13日の昼にみんなでローストチキンをつくることになった。
私が12”径のダッチオーブンで鶏を丸ごと焼くのは3度目で、これまでは簡便な豆炭を使って調理をしていたが、ちょうど豆炭を切らしていて、薪材は山とあったので、今回は薪の火で焼いてみることにした。 威勢良く燃え上がった薪の火が落ち着いた頃、いつも通り予熱したダッチオーブンに鶏をそのまま放り込んでそのまま30分。 そろそろ野菜を投入しようとふたを開けたら、なんとすでに半分黒焦げになったあわれなチキンが現れた。 本当はこんがり狐色に焼き上がったローストチキンに下にはたっぷりとしたチキンスープが溜まっているはずなのに、スープは一滴もなく、鍋の底は黒焦げになっていた。 どうも火力が強すぎたらしい。 完全な失敗である。
それでも心優しい客人たちは、炭化した皮を取り除きながら塩や醤油で好みに味付けしながら、「美味しい。美味しい。」と言ってペロリと平らげてくれた。 彼らはまだ食べたそうな雰囲気だったことと、私もちょっぴり残念な気分だったので、「G君が出発する前にもう一匹焼いてみるか。」と今度は完全な「燠火」にしてから慎重に焼くことにした。 この間についでに少し下味をつけてみることにして、鶏肉の内外面に、にんにくと塩、コショウを摺り込んでおいた。
待つこと30分、そっとふたを取るとそこには、旨そうな匂いの立ち昇る中、うっすらと焦げ目の付いた肉汁で鍋いっぱいに膨らんだ若鶏があった。 私は「これこれ。これでなくっちゃ。」と言いつつ野菜を投入。 じっと待つことさらに30分。 そろそろ出来上がるころと見に行くと、今度は前回とは別物のように美味しそうに出来上がったローストチキンとご対面と相成った。
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これぞローストチキン。 美味しそうでしょ。 |
「わー。おいしそー。」と歓声の上がる中、陶製の器に盛りつけ、今度は Ms.S
も加わって全員で、「おージューシー」とか「さっきのとは全然違うね。」とか言いながら2匹目を平らげた。
こんどは牛肉のブロックを丸焼きにして食べようと、早くも次回の「ミスターの野外料理を味わう会?」のメニューが決まった。


全員満腹で、満ち足りた気分で後片付けをして、G君は神戸経由で長野の実家へ帰っていった。 残ったAさん夫妻と池の水生昆虫などを見ながら水遊びをしていると、「今日の午後には最初の一輪が咲きそうだ。」と私が言っていたサギソウが水際で真っ白な羽を優雅に広げていた。 今回のひるぜん行で幸運続きだったG君も最後の幸運は掴めなかったようだ。
('07.08.15)

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